お知らせ
21.12.23(木) 【Rec&Mix】ロクデナシ – ただ声一つ
【Recording日誌 – サウンドアーツ都立大】
今作のVocalはサウンドアーツ都立大店にて収録いたしました。
広く余裕のあるRecブースとコントロールルーム
清潔感と同居する歴史を感じさせる佇まい
陽光の差すロビー
『U87aiが使えて且つボーカリストさんがリラックスできるスタジオ』という条件で探していたのでぴったりです。
なかでもコントロールルームはとても広くスタッフさんが多く関わるセッションでも安心でしょう。
スタジオ内はProToolsのワンオペ形式。何か困った事があれば別棟にて待機しているスタジオスタッフさんに電話、すぐ駆けつけてくれて対応というかたち。
ボーカルはU87ai → Chandler Limited LTD-1 → Universal Audio 1176 という構成で収録しています。
ブレッシーな声質でしたのでLTD-1だと飽和するかな?とは思ったのですが良い音で録れました。余談ですがChandlerは個人的にとても好きなメーカーだったりします。
最初コンプレッサーはCL1Bを試してみましたが、ややふくよかすぎたので1176に変更。しっかりと締まった音になりました。
今回はローカットEQ、アタック、リリース、スレッショルドなど各パラメーターを作りこんで録音しました。
本来レコーディング時に積極的にサウンドメイクするのはややリスキーな側面があります(オーバーコンプ等)。
しかしリスニングスピーカーのDynaudioが十分に鳴ってくれていたので安心して音を作りこめました。
コスパに優れ音作りに専念できる環境をありがとうございました。
21.12.10(金) 【コラム】過去作を誰よりも聞いているエンジニア
私は自分をそう思います
理由はとても簡単でコメントが見たいからです
新しくついたコメントなどを通して「そういう解釈もあるのか」と楽曲の新しい一面を発見するのがとても好き
そういったリアルタイムの声に触れる機会を下さるアーティストさん、
そしてそのアーティストさんを支えるファンの方々に感謝するばかりです
21.11.30(火) 【コラム】YouTube・ニコニコ動画の音質について
StudioOnett 佐藤です
YouTubeやニコニコ動画といったサイトのみのリリースを想定した案件を頂くことも多くなりました。
CDを聴いて育った世代としては少し寂しいですが何万曲もの作品にすぐアクセス出来、かつMVも視聴可能という利便性は音楽史における革命と言っても過言ではないと思います。
当スタジオではボカロPさんのご利用もあり、YouTube・ニコニコ動画二つのサイトでリリースされた自分のサウンドを聞き比べる機会があります。
面白いことに自分が作ったサウンドでも全く印象が変わって聞こえるので書き残しておきます。
・狙った通りのサウンドが鳴っていると感じるYouTube
ミキシング、マスタリングを終えて出来たFinalmasterとほぼ近しい印象に感じるのは自分の場合YouTubeでした。
YouTubeではopusというコーデック方式(参考ブログ:Vpcal-EDIT様)が採用されています。
opusコーデックで自分が感じたのは「ダイナミクスがかなり残っている」という点でした。
音声圧縮特有の詰まった感じが少なく歪みも目立ちにくいように感じます。
音像を重視したり伸びやかなサウンドが好きな私とopusは相性が良いのかもしれません。
・ではニコニコ動画は音質が悪いのか
今の私の結論から言うと答えは「NO」です
低域などが豊かな印象を受けますし、少し詰まって聞こえるからこそのパワー感などはメリットとも捉えられます。
・動画サイトごとの音質の違いの捉え方
音楽を聴くという場所が動画サイトに移りつつあるなかでサウンドメイクを続けてきてあまり後悔を感じることがありません。
YouTubeが聴いていて一番しっくり来ますが、あまり意識せず音作りしてもどの動画サイトでもちゃんと鳴ってくれているなと感じます。
とてもありがたいことですね。
ほんの微かな違いですがこうして意識の片隅に置いておくことに意味があると思い今回執筆させて頂きました。
サウンドでも色々な「好き」を見つけて楽しんでいきたいですね。